うまく死ねない

人のことをあれこれ考えるのが面倒くさくなってきた。

これまでは、そうしようと意識しないとできなかったけど、今はほんとにどうでもいいと思える瞬間が増えてきた。

人の生き方にとやかく言ってる暇も、権利も僕にはない。

他人の人生なんだから好きにしたらいい。

うまくいこうがいくまいがその人の責任だ。

僕もそうだ。

僕の人生だ。

他人にとやかく言われる筋合いはない。

ここがわかってから変わってきた。

僕は他人からあれこれ言われやすいタイプだった。

「それは間違っている」

「こうした方がいい」

ずっと誰かに言われ続けてきた。

それらのアドバイスには一理あると思い僕は耳を傾けた。

そうするとより一層言いやすくなるみたいで、アドバイスが増えてくる。

うっとうしくなるが自分で決める勇気もないから耳を傾けていた。

今は違う。

勇気が少し持てた。

自分で決めて、その責任を引き受けるという当たり前の気持ちが芽生えてきた。

自分で決められないかぎり、人生は誰かのせいになる。

誰かのせいになるから、誰かに怒り続けなくてはならない。

怒りを基本とした興味を他人に抱いてしまう原因はそこにあった。

自分で決める。

いつか死ぬんだから。

死ぬときはひとりだ。

甘えていたらうまく死ねないよ。

気づくの遅いけどね。

44歳だし。

うまく死にたいから、がんばる。