居心地が良いとこほど気をつけろってこと

職場に思っていることと裏返しのことばかり言うおばさんがいる。

「私にミスがあれば遠慮なく言ってください」という言葉のほんとうの意味は、「私はミスなんてしないから考えてものを言えよ」である。

責任の所在がはっきりしないミスが起きた時の全体に対する注意に、「あ、それは私のミスかもしれませんね」としゃしゃり出てくる。謙虚に聞こえる発言をしたところの本音は、「あ、それ絶対私じゃないです」だ。

「○○(僕)さんがいてくれるおかげで助かります」は、「目障りだから早くどこか行かないかな」である。

何度かおばさんに本人から言われた通りにミスを指摘したことがある。その時の答えは、「まあ、人それぞれ考え方がちがいますから答えは一つじゃないですよね。○○(僕)さんが納得するようにされたらいいと思いますよ」というものだった。

ミスの責任が明らかに本人にある場合は謝らないのに、責任の所在があいまいなときには、「それきっと私のミスだと思う」と言えるところに、自分は反省のできる謙虚な人間だというアピールと、自分は正しいという自信があふれ出ている。

謙虚さをアピールしているつもりで図々しさがダダ漏れなのに気づいていないのは本人ばかりのようだ。

おばさんは弱くて、怖いんだと思う。

本音で生きたら自分をコントロールできないから、本音で生きたら仲間がいなくなるから、裏返しのことばかり言う。

 本音の裏返しを口にしているかぎりは自分は良い人でいられるのだ。明るく、謙虚で、人に感謝できる素敵な自分でいられるのだ。

 

 

このおばさん、これまでどの職場に行っても苦手な人が現れ、その人とのトラブルが原因で仕事をやめていたらしい。

そんなおばさんが今回の職場には苦手な人がいないという。みんないい人ばかりだそうだ。

それは当然だ。みんながおばさんの言動を我慢してくれているんだから。

居心地良いところほど何を思われているかわからないから気をつけた方がいいって、太宰治も言ってるよ。