死んでも学ぶ、そしてまた生まれる

「明日死ぬかのように生きなさい。永遠に生きるかのように学びなさい(byガンジー)」

僕が求め続けた生き方を的確に表してくれる言葉に出会った。

結果を出すことだけにとらわれずコツコツと努力を重ねる毎日こそが幸せをもたらしてくれると気づいた矢先にこの言葉に出会えた。

10年前の僕なら、「明日死ぬかのように生きるのなら、今この瞬間の時間を学びになんて使うものか」と思っていただろう。「使えば汚れるのに洗濯物や食器を洗ってなんになる」と同じだ。明日死ぬのに学んでなんになるってことだ。明日死ぬなら死ぬことを忘れるために大酒を飲んで、友だちと大騒ぎをしてやると考えていた。だからその頃は毎日大酒を飲んで明日のことを忘れようとしていた。

そんなのだから苦しかったなぁ、生まれてこのかたずっと。

明日死ぬならいつもと同じ一日を昨日よりもっと真剣に生きてみようと今なら思う。丁寧に布団をたたみ、丁寧に顔を洗い髭を剃り、お客様のことを第一に考えた仕事をして、帰ったら集中して勉強し、ご飯をじっくり味わって、体を綺麗に洗う。

酒を飲んで正気を失って死ぬなんてごめんだ。はっきりした意識で、今日やるべきことをやった充実感のなかで死にたい。今はそう思う。

人生も折り返し地点を迎え、老眼もはじまり、白髪も生えてきた。

でも肉体的に衰えた分だけ、精神的な実りが得られる人生になってゆく確信がある。10年前と比べると生きるのがとても楽になってきた。楽になってきた分だけ自分への厳しさを増そうとも思う。

自分に厳しく他人に優しくなればなるほど人生を楽しく生きられそうなイメージがある。

自分が救われる可能性があるなら、他人も同じように救われる可能性がある。また救われた自分は救われた喜びに浸るだけでなく、人を救う菩薩行に入る。そういった他力本願の真髄に早くたどり着きたい。だから死ぬまで学ぶ。死んでからも学ぶ。

そして還相回向でまたこの世に戻ってくるぜ。