それだけはなんとしても

ほんの少し。半歩でもいい、人よりも優れているものはないか。好きなことと言い換えてもいい。何かないか。あればそこにしがみつけ。なりふり構わず、しがみつけ。

才能や個性の話をしているんじゃない。センスがなかろうが才能がなかろうが、好きで好きでしかたないもの。それだけを信じろ。

あれこれ手を出せるほど器用じゃない。なにか他にもできることがあるかもなんて心配は無用だ。凡人なんだからひとつのことしかできない。安心してその一つにしがみつけ。凡人でもアリの一穴だ。やれる。やるぞ。信じろ。

 

このまま生きてたら僕の人生には何もない。

安定した生活なんて手に入らないし、そこを目指すことにどれほどの意味があるのかもわからない。

目指せば手に入る可能性があったなら自分を騙しながらでもそこを目指したかもしれない。

もしそこを目指すことが僕にとってほんとに幸せならとっくに目指していただろう。

いい歳したおっさんがモラトリアムか。

別に夢見てるわけではなく、目の前には現実があって、その現実が納得のいくものではないなら、いくつになろうがそこと闘うしかない。

闘い方は多少大人なやり方ができるようになっているとは思うけど、闘志は十分だ。

もう、やけっぱちだろ。 

44歳までこんな感じで生きてきたんだから周囲の人間から、「あいつって一体なんだったの?」と思われながら死ぬのは仕方ないけど、妻にだけは幸せな思いをさせてあげたい。

僕が願ってるのは究極それだけじゃないかと思う。

苦労ばかりかけた妻にどうやったら恩返しできるのか。

それだけだ。